溌墨画法は、墨を溌(そそ)ぐとあるように、輪郭線を描かずに紙に直接、薄墨、濃墨をそそいで一気に形状を表現する技法です。
墨色の濃淡の変化によって立体感や正動感を表すところにその妙があります。唐の時代に初めて山水画に現れ、近代においては張大千が代表的な作者です。
私は20数年前から溌墨作品を創作しています。様々な紙を用いて、墨や他の媒体も加えながら、墨の動きを上下左右から見ながら想像を膨らませていきます。
何を表現するか構想を元に墨を流していきますが、時に偶然の効果で、抽象的でもあり、独創的な作品になっています。